takaki2021’s blog

普通がキライ 倒れるなら前へ

連続空き巣犯の楽しみ①

この話は10年以上前の実話

犯罪を助長するものではありません

 

 

 

久しぶりに会う知人N君から友達だと紹介されたのがSさん

「あっ どうもー Sです」と身長170位で細身、丁寧でどこにでもいるような感じの人でした

繁華街で待ち合わせていたので近くの居酒屋へ

たまたま個室が空いていたので、そこへ3人で入りました

 

知人とは3年ぶりだったので久しぶりの乾杯

お互いの近況を話し合って2、3杯飲みました

 

場も和んできたのでSさんに話を振ろうかなと

 

私は和田アキ子さん風に「それであなたは、何してる人なん?」と聞きました

 

すると彼は「ここからすぐ近くの会社に勤めております。物流関係の仕事です」と

 

「へー 何を扱う会社なん?」と聞くと

 

「ドラッグストアへ配送する生活雑貨の仕分けです」と

 

成る程ね

とりあえず倉庫内作業員って認識でOK?

 

 

ここの馬刺しがとても美味しいので酒が進みます

 

飲み始めて1時間ほど過ぎた頃に気づいたのです

 

Sさん素面やん

 

確かに3人共、同じくらい飲んでいるのに

Sさんは全くの素面

 

顔色も良く、目つきもしっかりとしている

 

「Sさんはお酒強いんですねぇ」というと

 

「そんなこと無いです!もうベロベロです」と酔ったふり(?)

 

まぁいいんだけど…変なの と思い

その飲み会は終わりました

 

 

 

それから半年くらいたったか

今度は地元の友達と飲みに行く約束が出来たので

また以前利用した繁華街の居酒屋に行くことに

今度はちゃんと個室を予約しました

 

地元のツレと久しぶりの再開だったので楽しみに居酒屋へ行くと

 

あれ?

 

ツレの横に以前お会いしたSさんが

 

「あっSさん!」

 

「えっ知り合い?」

 

「あれビックリ!お久しぶりです」

 

ってこんな事は人生で結構ありますよね

この時に皆が言うセリフ「世の中狭いね~」

 

 

3人で乾杯して1杯目

するとSさんがいきなり

「すいませんtakakiさん

前回お会いした時に伝えきれなかった事があります

実は少しブラックな仕事をしているのです

Nさんの手前、本当の事が言えませんでした」

 

N君は社会的信用が必用な職業な為

おそらく『堅気の会社員』として

N君に気を遣わせないようにしたのでしょう

 

「わかるよ、N君はお堅い職場だからね!

んで結局あなたは、何してる人なん?」

 

「週1~2は物流倉庫で働いているのは確かなんですが本業は違います

あまり大きい声では言えませんが空き巣を生業としております」

 

ある程度ブラック系の仕事かと覚悟していましたが真っ黒やないかい!

 

(ツレはガキの頃から馬鹿ばかりして少年院とシャバを出たり入ったりのワルガキだったのでおそらく2人はそういう仲間?)

 

Sさんは前回の飲み会の時、警戒して私を観察していたらしいです

頼んだメニューや飲んだ酒の種類、その杯数

馬刺しが好きでしょ?とか事細かな事を覚えてました

凄い記憶力!

 

 

そりゃ初対面で「空き巣です」って信じないでしよ

まぁ2回目でも信じられませんが

 

Sさんは「空き巣に見えないでしょ」といいます

 

見た目が誠実そうで言葉づかいも丁寧

清潔感もあるし全然泥棒には見えません

 

私は「本当に?全然見えませんねぇ」

 

Sさん「そうでしょ!そこがこの国のいいところなんです

泥棒=小太り、泥棒髭、唐草模様の風呂敷

このイメージを強く国民に根付かせてくれたお陰で私は誰からも疑われません

あらゆる媒体に『泥棒はこうですよ』と嘘のイメージをばらまいてくれたおかげなんです」

 

知らない事を知りたい病の私は

楽しい夜になると確信して馬刺しを噛み締めるのでした

 

  連続空き巣犯の楽しみ②に続きますhttps://takaki2021.hatenablog.com/entry/2021/08/24/175128