やめられない手癖の悪さ ①
この話は10年以上前の実話です
犯罪を助長するものではありません
子供の頃からの癖は
大人になってからも治らないと言いますが
そうだと思った話を書きます
私の知り合いにK君という子がいます
彼の生い立ちは、幼少期に両親が離婚
K君と弟は母方に引き取られ、家族3人で貧しい生活を送ってきました
お母様は朝から晩まで身を粉にして働き
幼い2人を何とか腹一杯にしてあげようと
ギリギリの生活をしていました
小学生になったK君は初めて犯罪に手を染めることになるのです
家族3人で行った近所のスーパー
お母様は家計のやりくりの為、なるべくお値打ちな物を狙って買い物をしている
K君は何気なしにお菓子コーナーを通ると
そこにはテレビCMでよく見るお菓子が
粉1と粉2を水で練って食べるお菓子
練れば練るほど色が変わる、あのお菓子
現物を見るのは初めてで
テレビで見た物が目の前にあったのは衝撃だったそう
母親にねだっても買ってもらえないのは分かっているし、何せ自分の家が貧乏だという事は知っている
ねだることすら許されなかったと
自分がそのお菓子を食べてみたいという願望は勿論あったけど、弟に食べさせてあげたかったという気持ちの方が強かった
K君は小さな手に、大きなお菓子を掴み
人の目が少ない通路へ移動し
歩きながら服を捲り
おへその辺りに隠し
パンツとズボンのゴムでお菓子を挟み、固定させました
自分的には上手く隠せたと
ドキドキとワクワクが止まらなく
捕まる事よりも早く弟の喜ぶ顔が見たい気持ちでいっぱいでした
店を出る時も、誰からも疑われないように
悪気の無い顔を意識しながら
いつも通りの雰囲気を演出しつつ
何より母親に気付かれない様に
初の万引きを成功さました
初犯にしては慎重かつ大胆
100円相当の大犯罪
この事はずっと記憶に残る出来事になり、ものすごく鮮明に覚えていると
- 世界で自分しか知らない真実
- おへその辺りに隠した時のひんやり感
- スーパーのレジの店員さんの顔
- 母親のいつも通りの顔
- 疑う事すら知らない弟の顔
ちなみにお菓子を作って食べた時の記憶は全く無いそうです
それから小学生、中学生でも万引きを繰り返し
どんどんスケールアップ
生活困窮で始めた事が、儲けを出すまでに
小型で単価の高い物を盗んで売ったり
大量に盗んで売ったりと『万引き』とはかけ離れた『窃盗』になっていくのでした
やめられない手癖の悪さ②へ続くhttps://takaki2021.hatenablog.com/entry/2021/08/29/104550