肉を裂くのが目的じゃねぇ
今週のお題「肉」
お題を頂きましたので一つ書かせて頂きます
※この話は10年以上前の実話です
犯罪を助長するものではありません
『肉』と言えば思い出すエグい話があります
昔、barで知り合った方でKさんはある界隈では有名な自由業の方でした
高身長で羽振りがよく豪快で、誰とでもフレンドリーに話しかける性格で、私も何度かご馳走になりました
お店から出ると愛車のBMWが鍵刺しっぱなし
エンジンかけっぱなしということが何度もありました
そんなKさんは後輩の面倒見も良く
そして後輩から慕われるような正に『兄貴肌』だったんです
ところがある日
とても可愛がっていた後輩がムーミンの様に顔を腫らして血だらけの姿でKさんのBMの前タイアの所に座り込んでいました
「どうした‼️大丈夫か⁉️誰だ相手は⁉️」
と取り乱すKさん
一秒で落ち着いたKさんは「とりあえず手当てをしてやってくれ」と言われたので
私達で後輩くんを知り合いのbarへ
こーゆー時の私は早いのです‼️
外傷を確認して近くのドラッグストアへ(開いてて良かった24時間365日営業)
消毒や包帯、あて布、湿布など手当たり次第に購入してダッシュでbarへ
closeになった入口を入ると何やらKさんが後輩くんに熱弁をしています
「ペティナイフはいかん、肋骨に引っ掛かって入っていかないから自分の掌を怪我する
普通の三徳か出刃がいい
出刃は背高だから傷口は開く
太って筋肉質の奴は刺しても刃を抜いたら血が出ない奴もいる
そういう時は焦るな、もう一発行け
確率高めたいなら刃は上
もっと高めるなら思いっきり左右にひねろ
肉を裂くのが目的じゃねぇ、内臓まで行け」
…と何の話か全く検討もつかない私は『心ここに在らず』の状態で手当てを急ぎました
只者ではないと思っていたKさんは
やはり只者ではなく自分の知識を後輩くんに授けていました
一方後輩くんを見ると
目の白い所ないんじゃない?ってくらい丸々した黒目いっぱいの眼でワイルドターキーの七面鳥を見つめていました
それから後輩くんは1人で鼻息荒くbarを出ていきました
繁華街には刺激と熱がいっぱいです
皆様、気をつけて遊んでください🦘