takaki2021’s blog

普通がキライ 倒れるなら前へ

おばあちゃんのお茶

今週のお題「好きなお茶」

お題を頂きましたので一つ書かせて頂きます

 

私はほうじ茶が好きなのですが

それには思い出があるのです

 

私が24才の時、祖父と祖母を亡くしました

二人とも無口な人で、戦争を生き抜き、贅沢もせず質素な生活をしていました

 

私は10代の頃から家を出ていましたし

家も遠いので、あまり会話した記憶がありません

 

そんな祖母が体を壊し入院する事に

続いて祖父も体調を悪くして通院する事に

 

家が遠かったので近くに引っ越して来るように父親が言いました

 

私の家は物凄く狭い賃貸だったので

母親は少しだけ大きい賃貸を探していました

 

車で病院を行き来する毎日

大変な日々だったと思います

 

とある日の病院の帰り道、建築中の戸建が三件建っていました

 

すると祖父はボソッと「この真ん中の家を買おう」と言ったらしいです

初めはボケたか冗談かと思ったらしいのですが

車を降り建築中の家から備え付けてあったパンフレットを手に取り

ぐるーっと辺りを一周して車に帰って来たらしいです

 

翌日にパンフレットの営業さんに連絡して即決

 

お金の心配はさせないと言い一緒に住む事を提案してきたらしいです

(買う前に言ってよ!逆じゃね?と思いましたが祖父にはそんなこと関係なかったのかも)

 

祖母が退院したら

祖父が入院して

そんなことを繰り返している間に

家は完成しました

 

引っ越しを済ませ

同居が始まり

その翌年に祖父は亡くなりました

 

小さいですが葬式を挙げ

一段落して

新築の家に帰ってきました

この時、私はこの家にあがるのが初めてでした

 

祖母は祖父の遺影をテレビの上に丁寧に置き(当時はまだブラウン管)着替え、お茶を入れてくれました

 

それはほうじ茶でした

 

茶渋のついた汚い湯呑みと

大昔から使っているであろう急須

祖母のしわくちゃな笑顔が心地よく

今でも味と香りを覚えています

とても美味しかったです

 

そして数ヵ月後

あとを追うように祖母は亡くなりました

 

後日談ですが新築は現金一括で祖父が払ったらしいです‼️

その時ファイナンシャルプランナーの知恵があれば節税対策したものですが

祖父にはそんなケチな事は超越していたのかもしれません

 

そんなお茶にまつわる思い出でした